納豆、味噌、醤油、豆腐 etc 日本の代表的な伝統食に欠かせない「大豆」 日本では「畑の肉」と呼ばれているほど栄養価が高い食べ物です。しかし南米には大豆より更に栄養価が高い「タルウィ」と云う豆があります。

タルウィ(学名: Lupinus mutabilis、ルピナス属の豆 日本名:ザッショクノボリフジ)　

タルウィは、南米ペルーのアンデス地域が原産地の食用豆で、プレインカ時代からアンデスの人々にとって貴重な栄養源であり、現在、世界中で食されている同じくアンデス原産のトウモロコシに並ぶ、現地の人々には一般的な食品です。

乳白色したタルウィに含まれるタンパク質の数値は、大豆の約33%含有率に対して約44％と高く（豆類では最高値）その一方で、糖質が低く、必須アミノ酸も大豆より多く含みます。タンパク質の消化率や栄養価は、大豆に酷似、またはそれを凌駕しているとも報告されています。

各豆類の栄養成分比較表

出典：公益財団法人 日本豆類協会 ＋ ペルー農務省データベース

ただ、タルウィには苦味があります。この苦味はタルウィに含まれるアルカロイドが原因です。このアルカロイドは水溶性であることから、数日間、水に浸すことで取り除くことができます。しかし水分を浸透させた状態でのタルウィは日持ちがしないため、海外への普及が遅れている現状です。



現在、ペルーではタルウィを粉末に加工するなどして、海外市場へのアプローチが始められています。世界的に植物性プロテインが注目される中、日本でも老若男女を問わず、多くの人々の健康増進の食材として利用して頂きたい素材です。

タルウィ、大豆、キヌア、に含まれるアミノ酸類の比較　(単位: g. 乾燥豆200ｇ中)

出典：サンマルコス大学薬学部データベース